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私も甘かった、よく知らないまま行った人材派遣

「人材派遣体験記」の趣旨・サイト主プロフィル・全体目次

お急ぎの人のためのPickUp 10本+1本 「検査」「仕分け作業」はウソ 空求人(釣り広告)にご注意 求人の仕事内容にウソが多い理由 行った初日から辞めたくなる理由 辞めるのに自分を責める必要はない 派遣先の指揮命令者・H次長① 契約内容と実際が違う実例 ①マンパワー 派遣社員としての働き方① 飲食・介護が、人材派遣で穴埋めできる理由 ブラックリスト そんなものありえない 人材派遣会社を使うとき・派遣社員として働くときの注意 趣旨/サイト主プロフィル 私も甘かった、よく知らないまま行った人材派遣 「これって、お金に困った女の子が、風俗で働き始めるときに、こういう風に感じるのだろうか」とまで思いました。  といっても私は若い女の子ではありません。いい年したおっさんです。「なんでこの年になってこんなことせにゃいかんのか」。 そう思いながら行った、派遣労働の体験記です。 「趣旨・サイト主プロフィル」の続きを読む 「趣旨・サイト主プロフィル」を折りたたむ プライドが邪魔する派遣労働 今、フリーターやニートからの脱却の第一歩を考えている人。再就職を考えているけれど、簡単に決まらない人。 そういった人は派遣労働の求人に目が行くかもしれません。 でも、何かためらうところはありませんか。「賃金が安すぎるように思う」「これまでにやってきた仕事と違いすぎる」「あまりに単純作業過ぎる」 最も立場の弱い労働者です。正社員としてそれなりの企業に勤めた経験のある人ならば、「プライドが傷つく」ということもあるでしょう。私も追い詰められて、ようよう重い腰を上げた一人です。 それでも期間はまっとうした 当初、予定していたのは3か月です。結局、5か月近く勤めました。やめたのはその時に必要としていた金額を稼いだからです。 トラブルはたくさんありました。今、派遣労働に行こうかどうしようかと考えている人の参考になるように、思い出しながら自分の経験を記してみたいと思います。 【ちなみに私のプロフィル】 50代。10年余り前に、会社を退職。 理由はいくつかあります。一つだけ挙げておくと、「業種が衰退産業で、社内の空気も悪くなっていたから」。 以後、自分で小さな事業をしていまし

人材派遣会社の担当者は本当は何をしなければいけないか①

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TOP 労働者側がどんどん不利になるわけ 人材派遣と国・産業界 やることやっていない派遣会社の担当者 担当者は本当は何をしなければいけないか① 「派遣社員に対してやらなければいけないこと」編・上 【「優良派遣事業者認定制度」の認定基準】 優良派遣事業者認定制度というのがあります。「事業者から提出された申請書類等により申請の要件を満たしていることを確認した後、次に掲げる基準を一定以上満たす事業者」なんだとか。 「厚生労働省委託事業」となっています。その委託をされているのは、「一般社団法人人材サービス産業協議会」です。 つまり、第三者が客観的に評価するのではなく、「人材派遣の業者同士が互いに仲間をほめあっている」というものです。 実際に表彰を受けた業者を見ると、労働者派遣法違反などで労働基準監督署から繰り返し取り締まりを受けているところも入っています。間違っても「利用する業者を選ぶ参考にする」といった使い方はできません。 「またひとつ人材派遣業界に新しいインチキが加わった。怒りがふつふつとわいてくる」というのが正直な感想です。 ただ、このホームページに挙がっている 「認定基準」 は参考になります。見方を変えると、「人材派遣会社とその担当者は、本当はこういったことをしなければいけない」ということだからです。 【派遣社員の適正就労とフォローアップに関する基準】 「Ⅱ 派遣社員の適正就労とフォローアップに関する基準」として、次のようなものが挙がっています。 ・2-1 募集・採用 1.募集・採用 労働条件、仕事内容、必要なスキルを具体的に説明することに努め、適正な内容の募集採用を広く行っていること 求職者の応募に際して、円滑な手続きのための利便を図っていること 続きを読む 折りたたむ ・2-2 派遣社員の安定就労とフォローアップ 1.派遣社員の義務・権利の周知 労働者としての権利・義務を派遣労働者に周知していること  2.派遣先事業所の環境の把握 派遣先での派遣社員の就業状況を的確に把握していること 3.派遣社員の希望条件確認 派遣社員の希望条件を確認し、それに応じて的確な支援ができる体制にあること 4.派遣社員への就業条件の通知 派遣社員に対して、書面にて迅速に労働条

派遣社員ががんばって働いて、報われることはあるか?

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TOP 経験からのアドバイス 派遣社員の働き方 働き方② がんばって働いて、報われることはあるか? 派遣社員の働きぶりを評価するシステムはない 【一生懸命やっても時給が上がることはない】 パート・アルバイトでしたら、しばらく続けていれば、雇い主が気に入ってくれて、時給をアップしてくれることもあるでしょう。「仕事を続けてもらう。やめてほしくない」となったら、最もストレートな引き留め策ですね。 働いている側の気分としては、人材派遣もアルバイトもそれほど区別をしていない人も多いかもしれません。それで「人材派遣でもがんばっていたら、そのうち給料をアップしてくれるかも」といった期待をするかもしれません。 よほど例外の事情でもなければ、それはありません。そんなことができるシステムにはなっていません。 あなたの給料は人材派遣会社から出ています。派遣先は「派遣料」という名目で人材派遣会社にお金を支払っており、あなたの給料には直接はタッチしていません。派遣先のだれ一人として、あなたが実際にもらっている時給の額も知らないのではないでしょうか。 逆に知っている人がいたとしたら、そのほうがおかしいのが、人材派遣のシステムです。 仮に時給アップの交渉をするとしたら、相手は人材派遣会社です。単純に時給をアップさせたら、人材派遣会社側の取り分が減るだけです。そうならないようにするには、人材派遣会社が派遣先と派遣契約を結び直し、派遣料金をアップさせなければいけません。 そんな手間をかけてくれる営業さん(人材派遣会社の担当者)は、まずはいないでしょう。 続きを読む 折りたたむ 【営業さんはわざと、派遣さんの様子を把握しようとしない】 まれには派遣先の上司が「あまりに時給が安くてかわいそうだ。人材派遣会社からの時給がアップするように、派遣料金ももう少し払ってあげてもいい」と思うことはあるかもしれません。 ですが、実際にそうするには、周囲に納得させる理由が必要です。ほとんど個人商店ぐらいの経営規模で「社長=あなたの上司」でもない限り、あなたの上司はさらにその上司を納得させなければいけません。 ところが、派遣社員に対しては人事評価はありません。とりあえず「上司」という言葉を使いましたが、派遣先で一緒に働いている人は、本当は上司ですらなく「指揮命令

人材派遣の「事前面接」は、何が問題か

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TOP 職場に入るまで 事前面接 労働者派遣法違反。「事前面接」とは 「事前面接」は、何が問題か 事前面接をやっているのだから、これはヤクザがやっていた「人入れ稼業」と同じシステム 【もはや堂々と行われている事前面接】 人材派遣では事前面接が禁止されています……といっても、人材派遣の求人に応募した人の中には、禁止されていることをまったく知らない人も珍しくありません。 Twitterでも「明日、企業側(派遣先)の面接。緊張する」といった投稿があり、「それ、禁止されているやつですよ」とRTしたことがあります。案の定、初耳だったようです。 あるいは、どれが事前面接に当たるのかがわからない人や、「禁止は知っているけれど今さら、文句をいってもどうしようもないと」といった人も多いでしょう。一番多いのは、一番最後の「禁止は知っているけれど……」の人かもしれません。 念のためにいっておくと……人材派遣の求人に応募すると、まずは人材派遣会社の面接があります。わざわざ「登録面接」の言葉を使うことがあります。それをクリアしたとして、普通は実際に働き始める前に、一回は派遣先に連れて行かれます。ここでの面接をいいます。 「禁止されている」ということを、人材派遣会社や派遣先がまだしも意識しているときは、「説明」「見学」「顔合わせ」「打ち合わせ」などの言葉を使います。とはいえ、実際にはもはや当たり前になりすぎていて、罪の意識もないことから、素直に「派遣先の面接」と呼ぶことも多いようです。 そこで派遣先の人に会い、その人が「OK」を出す・出さないといった手順になっているのならば、どんな呼び方をしていてもそれは「事前面接」です。 続きを読む 折りたたむ 【事前面接&履歴書送付は、「労働者特定」として禁止】 事前面接同様に、人材派遣会社から派遣先に人を送るときに禁止されていることとして、「履歴書の送付」があります。また、履歴書でなくても、派遣予定者にかんする情報は見せてはいけないことになっています。 事前面接の禁止と履歴書送付の禁止をまとめて、「労働者特定の禁止(派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止)」といいます。もう少しわかりやすくいえば、「どんな人が来るのかを、事前に派遣先は知ってはいけない」ということです。 人材派遣会社が実際に

人材派遣のインチキのかたまり、「離島応援ナース」

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TOP 経験からのアドバイス 派遣社員の働き方 職場を見にこない担当者 インチキのかたまり、「離島応援ナース」 人材派遣会社はここまであくどい 【離島応援ナースとは】 「離島応援ナース」に直接関係するのは看護師さんだけです。ですが、「人材派遣会社はこのくらいモラルの低い人たちがやっている」ということがよくわかる例なので紹介しておきます。 もちろん、看護師さんは要注意です。 こんな募集を目にしたことはないでしょうか? 「都会の生活で疲れた看護師さん。南の島で短期間働いてみませんか。リフレッシュしますよ」 「病院のすぐそばはビーチ。お休みの日にはマリンスポーツも楽しめます」 リゾート地のホテルなどが、住み込みのスタッフを募集する「リゾートバイト」というのがありますが、その看護師版……といったところです。 都会でも看護師不足は深刻なのですから、地方、それも離島ともなると、看護師集めに必死なのは当然でしょう。 ふしぎなことにこれらの「離島応援ナース」は例外なく…… ・期間は最大6か月 ・採用の面接を受けに現地に行く必要なし。都会の事務所で採用が決まります ……となっています。 続きを読む 折りたたむ 【紹介予定派遣であることは説明しない】 これは業者側が決めていることではありません。 明示されていることは少ないです。また、あっても募集広告の隅っこに小さく書かれています。実は、これは「紹介予定派遣」なのです。 「紹介予定派遣」は、「派遣期間の終了時に、派遣先と派遣社員の両方が合意すれば、そのまま直接雇用に切り替えることができる」という人材派遣の一種です。 あくまで、「直接雇用」なので、直接職場に雇われるパートやバイトに切り替えるだけでもOKです。ですが、法律の趣旨としては正社員を念頭に置いているはずです。 「離島応援ナース」の期間が最大6か月なのは、労働者派遣法でそう決められているからです。 また、「現地に行く必要はなし」というのは、これも労働者派遣(人材派遣)の決まりごとです。 実際には派遣先による「事前面接」が当たり前になっていて、法律も空文化しているのですが、本来は派遣社員の採用は人材派遣会社が決めます。派遣先は、人材派遣会社から送られてきた人は拒否できないことになっているのです。

求人・契約内容と実際の仕事内容が違うと、何が問題か・どうすればいいか

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TOP 職場に入ってから 仕事内容が違う実例 実際の仕事が違う場合の対応 求人・契約内容と実際の仕事内容が違うと、何が問題か 「すぐにやめていい」と、民法第628条に決められている 【求人での話と、実際が違うのを担当者は全く気にしていない】 人材派遣で、工場系の募集の場合、「簡単な検査」「仕分け作業」と言ったものがたくさん出ています。あまり信じないほうがいいですね。 私が地方の電子部品工場で働いた時は、求人では「目視による簡単な検査」、実際は「機械による検査」が半分、残りの半分は力仕事の出荷作業でした。 事務系の場合は、「パソコンを使った事務」などとなっていても、実際には雑用全部、ひどい時には机周りは当然のこと、トイレの掃除まで含まれていたりします。 おそらくはどの派遣先も、「派遣さんにはこの仕事を任せよう」などしっかりとした計画は立てていません。「とにかく人が足りない。人材派遣会社に依頼したところで、どんな人が来るかわからない。なので、来た人を見てから何を任せるか考える」というのが実際のところだろうと思います。 人材派遣会社の方もわかっていますから、「仕事内容はしっかりと出してくれないと、募集が出せません」などと突っ返しません。おそらくは、「わかりました。それじゃあ、こっちで適当に仕事内容は書いておきます」とでもやるのでしょう。 間違っても、「体力&根性のある人求む」とは書きません。 かくして、「簡単な検査」などの軽作業ばかり募集が並びます。「職場の先輩が親切にお教えします」「明るい雰囲気の職場です」ぐらいの言葉も、そんなこと全く見たこともないのに、営業さん(人材派遣会社の担当者)方で勝手に書き加えるでしょう。 続きを読む 折りたたむ 【「求人の仕事内容と、実際の仕事内容が違う」と損をするのは、もちろん派遣さん側】 求人広告を見る側にしたら、「この仕事内容ならば、安い時給でも仕方ないのかな」「自分にもやれそうな仕事だ。そんなに苦労をしなくていいだろう」などとして、どれに応募するか決めているでしょう。 「簡単な検査」ならば時給1,000円でよくても、力仕事ならば割に合いません。「そんなのちゃんとやれるか自信がない」となることだってあるでしょう。 事務系であれば、「派遣で働くのには必要だから」とWord

パート・アルバイト、派遣社員の理由が不要な退職と、理由が必要な退職

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TOP 職場に入ってから 契約期間中の辞め方 勝手に辞めたらどうなるか 理由が不要な退職と、理由が必要な退職 条件を満たせば、理由なしで退職できるパターンがある 【自分の悩んでいる状況は、ひょっとしたら「法律で退職していい」とされているかもしれない】 「まだ契約期間は残っている。だけども、派遣社員(あるいはパート・アルバイト)をすぐにやめたい」……本気で考え始めた時に、「収入がなくなるのをどうするか」といった問題もあるでしょう。ですが、それを割り切っても目の前に立ちはだかるのが、「退職する理由をどうするか。人材派遣会社(パート・アルバイト先)にどう説明するか」です。 そこでもう一度、自分が退職したい理由をはっきりさせてみましょう。 「事前に聞いていたのと、仕事内容が違う。あまりに大変で時給に見合わない」「職場の雰囲気が悪い。こちらを派遣社員(パート・アルバイト)だからと一段低く見て、圧力をかけてくる」「体の調子が悪い。というよりも、はっきりと病気になった」などが代表的なものでしょう。 中には「契約期間が終わったのに、『後任が見つかるまで』『せめて引き継ぎが終わるまで』と引き延ばされている」といった例も少なくありません。 こういった場合に、頭の中に浮かぶのは、「本当の理由をストレートに話して、相手が認めるかどうか」「ウソになるかもしれないけれど、もうちょっと相手が納得しそうな口実を考えるか」などではないでしょうか。 「実際にそこまでたどり着くのにどうするか」という問題はあるせよ、ここに挙げた状況は全部、法律で「契約期間の途中であっても、退職してよろしい」とされています。「やめるのに十分な理由である」ということです。 続きを読む 折りたたむ 【理由もいわずにやめていいパターンもある】 実はこれも「法律上は……」であって、「相手がすぐにウンというかどうか」という問題は残るのですが、次のふたつのパターンのどちらかに当てはまれば、退職する理由は要りません。口実を考えることもありません。雇い主に退職届を出しさえすればOKです。 A.契約期間が決められていない場合、実際にやめる2週間前までに雇い主に伝える(「退職届を出してから、2週間待つ」と考えても同じこと) B.契約期間が決められて、それが1年以上になっている。そのうちすで

労働者派遣と労働者供給は、なにが違うか・なにが同じか

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TOP 人材派遣を知る 人材派遣の用語 労働者供給② 労働者派遣と労働者供給は、なにが違うか・なにが同じか 法律上は違うものにしようとしているが、実際には同じもの 【ヤクザがやっていたのは、労働者供給】 「人材派遣は昔はヤクザのやっていた」「人材派遣はかつては『人入れ稼業』と呼ばれていた」といった話は聞いたことのある人も多いでしょう。 「人入れ稼業」は厚生労働省の用語では、 「労働者供給事業」 といいます。「昔はヤクザがやっていた」というものこれです。 一方、人材派遣会社がやっているのは、 「労働者派遣事業」 ということになっています。「人材派遣」は、「労働者」ではありがたみがないように聞こえるので、技能でも持っている人のようにイメージさせるための言い換えです。 「昔、ヤクザがやっていた労働者供給」と「今、人材派遣会社がやっている労働者派遣」はなにが違うのか…… ここで結論を出してしまうと…… 「違う」ということで、労働者派遣が始まったが、結局ほぼ同じものになってしまっている ……です。 違いはといえば、「暴力が振るわれない」「ひどさの程度がまだマシ」ぐらいでしょう。 続きを読む 折りたたむ 【労働者供給と労働者派遣(人材派遣)の違い】 このふたつを比べた時、いろいろな違いはありますが、最も根本にあるのは…… 労働者供給は、業者(ヤクザを含む)が自分のところで押さえてある人間を労働現場へと貸し出す。労働者派遣は業者(人材派遣会社)が労働者の労働力を派遣先に提供する ……です。 わかりにくいです。どうしても同じものになってしまうのを、それでも無理やり違いを作り、「ヤクザがやっていたこととは違うものなので、復活させてもいいでしょう」ということにしたものです。少し監視を緩めれば、同じものになってしまいますし、今がその状態です。 わかりにくいママですが、それでも言い換えてみると、「労働者供給は、人間そのもののをまるで牛か馬みたいに貸し出す。労働者派遣は、提供するのは(貸し出す)のは人間そのものではなく、労働力だけ」です。 ヤクザがやっていた時は、人間の身柄そのものを自分のところで押さえていましたので、「そこから逃げないように」し、「無理に働かせ」といったことも平気でやっていたのです。この状態は「強